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「TUMI(ツゥミ)な奴」が増殖中 

 ここ数年、「TUMI」なるブランドのビジネス・バッグを持った「罪な奴」が増殖している。1975年にアメリカで創業した会社で、そのブランドは、ペルーの神「ツゥミ」に因んで名付けられたらしい。ポリエステルオックス600デニール以上の太い糸を撚り合わせて織った堅牢な生地やストラップを使い、軍用規格レベルの負荷にも耐え得るものであるとの事。頑丈で機能も多いが少し重い。約4年前、「人形は顔が猪木」ならぬ「ビジネスマンは鞄が命」と考え、いい鞄を一丁買ってやろうと様々なブランドを探した。

 自分のテイストに合った鞄選びはとても難しく一日で決められるものではなかった。「ビトン」は私の雰囲気ではないし、ハンティングワールドはストーリーが難しすぎる割に表面が柔らか過ぎる。そんな折偶然、「コーチ」のショップを見ていたら、小さいコーチのブランド・バッヂが付き地味であるが、ポリエステルの太番手の生地を使った丈夫そうで軽いバッグを見つけた。10万円まではしなかったが、値段も歳相応であると判断し買った。

 元体育会系、スポコン好きな私にとって、「コーチ」というブランド名の響きも好きだ。「アタックNo.1」や「サインはV」の中で息を切らせながら「コーチ!お願いします」と、千本レシーブ?に挑むシーンを連想する。その創業は「TUMI」より古いが、同じアメリカのブランドで歴史の重さもヨーロッパ系よりは感じさせない。対するブランド「ルイ・ビトン」等は、庶民である私にはブルボン家・ハプスブルク家の格式張った観があり重い。敷居が高い。ブランド名に由来する文字の組み合わせのモノグラムも、「DV」や「EV」になっていても私はきっと気付かないであろう。

 他人はそれらを理由と認めないが、私にとっては立派な理由から、「コーチ」を買った。だが一年後、ブランド・バッヂの金属の台から、ブランドが書かれた樹脂部分が剥がれ落ち、知らぬ間に紛失していた。こうなると、その地味なバッグの外見から、アキバの格安パソコンショップの店頭に並んでいる2~3千円の格安バッグにしか見えない。剥がれ落ちた金属の銀メッキ部分にマジックで「Coach」と書こうかとの衝動にも駆られたがそれも止めた。

 修理に出せばタダで直してくれるのだろうが、そんな格安バッグに見えてしまうシロモノを、わざわざ修理の為に未だショップに持って行く気が起こらない。あの時、「TUMI」を買って、「罪な奴」になっていれば、今頃はバッグ自体に使い込んだ味が出ていたのにと後悔しきりな私である。日本の鞄会社「エース」も頑張ってほしい。トヨタのレクサスのようにそろそろ新ブランドを立ち上げる時期なのではないか。エースのブランド「サムソナイト」も伸び悩んでるように思える。日本の鞄メーカーで「罪な奴」の増殖を防ぐことが出来る会社は全く無いのだろうか?
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