「♪ファはお墓のファ」 ドレミの唄より 

 先週、雨の週末、盆休みには親戚の初盆で自分の先祖の供養が出来なかった為、土曜日は一人で父母両家の墓のある埼玉県深谷市にある2箇所のお墓参り、日曜は足立区谷在家にある家内のご両親のお墓参りへ家内と共に出かけた。2日間で墓参りをハシゴしたとでも言おうか。土曜日、一人なので深谷市へは臨海副都心線で途中乗り換えれば一本で行ける電車を選び、折り畳み自転車を持って出かけようと考えていた。ところがあいにくの雨。仕方なく車で出かけた。片道約80kmだ。この時期、渋滞もないと考え首都高以外は使わず、新大宮バイパスから中山道を使った。

 私の車の場合、燃費からガソリン代を距離換算すると1kmにつき約23円かかる。往復で3,680円也。これに首都高の高速代往復料金。一人は高い。更に憂鬱な雨。その憂鬱に更に追い討ちをかけるオリンピック日米野球の実況中継。負けゲーム。食事をしようにも、最後に何があるか分からない。オマケに渋滞にも巻き込まれ、試合終了後の3時過ぎに食事を摂った。メシを食べようと、街道沿いに目を凝らしていると、意味不明な「やきそばフライ」の看板を数件発見。なんでも、焼きソバをお好み焼きのような小麦粉のシートで包んだものらしいのだが・・・。

 それらに惑わされず、憂鬱な気分できっと痛んでいるであろう胃を気遣い、気持ちは既に一直線、消化のいいウドンにしようと決めていた。この付近、熊谷あたりもウドンは昔から有名である。駅前にも有名店があることは知っていたが、そこに辿り着く前に見つけちゃったわ!「丸亀製麺」。迷わず入り、「ぶっかけ醤油うどん(大)」を注文。桜海老のかき揚げが無かったので聞いたところ、すぐ揚げるとのこと。盛は都内より1.5倍くらいデカイ、と、感じた。かき揚げも同じくデカイ。おにぎり取らなくって良かったと、年齢なりに節制ができるようになった自分を褒めてあげた。腹も満タンだ。

 食欲を満たした後は、お墓に向かうだけだ。ドレミの唄の「ファはおファカ(墓)のファ」を、針飛びレコードのように陽気な気分で繰り返し歌っているうちに、おファカに到着した。外は雨。線香に火を点けようと頑張ったが傘を持ってはなかなかだ。車に戻り社内でライターで火を点けた。私が口ずさんでいた歌は線香だけあって、♪「青雲、それは君が見た光、ボクが見た希望、青雲、それはふれあいの心、幸せの青い雲、青雲」。なんと、完璧に歌えた私だ。点火した線香の束を持ち、車から墓場へ向かった。入り口のお地蔵さん達にも、一人一本線香を大盤振る舞いした。

 雨の墓場を、とってもラテンな気分で陽気に口ずさみながらおファカに向かった。♪「ドは土葬のド、レは霊柩車のレ、ミは実が出ちゃうのミ、ファはおファカのファ、ソは葬式のソ、ラは 来世のラ、シは死人のシ、さあ、歌いましょ!」と。ミだけは、脈絡のない箸安めな歌詞だなぁ。私は当家歴代、最後の長男として、おファカに到着した時点で気持ちを切り替えた。恭しく粛々とご先祖様にお祈りした。その様は威儀正しく、近寄りにくい厳(いか)めしさをも持ち合わせ、お参りは無事執り行われたと、両親及び親戚の皆様と関係の無い各位にはここにご報告しておこう。

 その後の母方のおファカも、翌日の家内のご両親のお墓も、♪「ファはおファカのファ」な気分を、おファカの前で一転させ、恭しくお参りした。

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